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Live Forever

私が発達障がいの診断を受けようと決意した理由は、一般枠で働くことに限界を感じたからでした。
無事に診断が下り、障がい者手帳の申請も通りました。


しかし、また今までとは違う別の苦しみに苛まれることになったのです。

ネットでは「手帳持ち」という言葉が蔑称や煽りとして使われます。
実際、手帳を持っていると、烙印を押されたような気分になるときがあります。
手帳を使うと映画館や美術館のチケット代が割り引きされるのに、使うのをためらってしまう。他人から”そういう目”で見られるのが怖い……。
かれこれ10年来の付き合いがある友人にも、まだ障がいがあることを話せていません。
やっぱりどう思われるか不安で怖い、さすがに縁を切られることはないだろうけど、腫れ物のように扱われるのも嫌だ………。

今までグレーゾーンとして生きてきた人間が障がい者として生きるということは、そういうプライドや劣等感といったものに折り合いをつけることでもあると思います。

また、障がいがあるといっても「どこまでが障がいなのか?」という問題も常につきまといます。
手際が遅いのも要領が悪いのも、対人関係が苦手なのも障がいのせい?何もやる気が起きなくなり、引きこもってしまうのは障がいが原因か、単に怠けているだけ?もし健常者に生まれていたら今頃どんな人生だったのか、そもそも私は本当に障がい者なのか?

障がいを診断する人は、生活に支障が出ていることもきっかけのひとつかと思いますが、きっと「この生きづらさに理由が欲しい」という思いで受ける人も少なくないのではないでしょうか。
最近では何に対しても何かしらの病名が付きます。
『HSP』という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
HSPは病気でも障がいでもなく、ただ単に「繊細で、他人に気を使いすぎて疲れてしまう人」のことを指します。
医師から診断されるわけでもなく、福祉の支援なども受けられません。
正直HSPを名乗ることに何の意味もないとは思うのですが、やはりみんな「生きづらさの理由」を求めているのだと感じます。

私のもう一人の友人は、障がいに理解があり現在も福祉の仕事をしています。
彼女には障がいの診断をされたあとすぐに報告しました。
彼女は昔から何をするにも手際がよく何でもそつなくこなせ、友人も多く、私とは真逆のタイプなのですが、以前「自分にも障がいがあるかもしれない」と相談されたことがありました。
正直、それを聞いたときは複雑な気持ちになりました。
いわく、その頃彼女はIT系の会社に勤めていたのですが、忙しいわりになかなか成果が出せず悩んでいたそうです。
だからといって上司から怒られたり、周囲から煙たがられることはなかったと。
それならそこまで問題はないというか、そもそも文系からIT系にいっていきなり仕事をバリバリこなせるはずがないと思うんですよね、いくら要領が良いといっても。
きっと、今までずっと優等生として過ごしてきた彼女の初めての挫折だったのだと思います。
そのことに気づいたのか、相談をされたあとすぐに謝られました。
しかし、彼女と同じような悩みを抱えている健常者は案外多いのではないでしょうか。
障がい者を蔑んでくる人間はいますが、生きづらさの理由を欲するあまり、障がい認定をされたがる人もいます。
実際、私ももし障がいと診断されなかったら、今頃グレーゾーンとして何の支援も受けずに日々を消耗しながら生きていたのかもしれない、と考えると少しぞっとします。
ですがそれは、「グレーゾーンが増えたわけではなく、社会が一人一人に要求するレベル(ハードル)が上がったため、自分には障がいがあると勘違いする人が増えた」という解釈を見て腑に落ちました。


ただでさえ不況が続いていたところにコロナの追撃、政治にも期待できず先行きの見えない世の中、何も悩みがなく幸せに暮らしている人間なんてほんの一握りなのではないでしょうか。
しかしどれだけ苦しくても、命が続く限りは生きていかねばなりません。
生まれてきたことに理由なんてないんです。
なんのために生まれてきたのか、なども考える必要はありません。
ただ淡々と日々を生きるだけです。

私も小学生くらいの頃からずっと自●願望がありました。
20歳になるまでには●のう、と思いながらずっと生きてきました。(結局今も生きてます、自分でも信じられませんがなんやかんやでアラサーになりました。)
挫折ばかりの人生だから、逆に苦しみに慣れてしまったというのもあると思うんですよね。
また、精神薬を服用することでそういった希死念慮もだいぶ和らいできました。

重い内容だな…と思われた方もいるかもしれませんが、同じ悩みを抱えているのはあなただけじゃない、幸せそうに見えるあの人も生きづらさを抱えている、ということを伝えたかったためあえて色々さらけ出して書いてみました。
これを読んで少しでも救われた気分になってもらえたら幸いです。

(1年近く前に書いた文なので、今とは矛盾点があるかもしれませんがそこは目を瞑ってください。) 

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