願いと祈り
先日大阪市内の渡し船巡りをしている途中で天保山渡しから甚兵衛渡しに向かう途中、住吉神社(福崎住吉神社)を見かけました。住吉神社とは大阪の住吉大社を総本宮とする港の近くでよく見かける航海の安全を祈る神社です。住吉大社の歴史は古く、西暦200年ごろまではさかのぼることができます。この神社はそれほど古くなく、一帯の埋め立てが行われてからの創祀ですから200年ほどになります。
港の近くに必ずと言っていいほど航海の安全を祈願する住吉神社があるのは、今では想像もつかないほど航海が危険と不安に満ちていたからです。
GPSや正確な海図、リアルタイムの気象予報がなかった時代を想像してみてください。現代でも海難事故を無くすことはできないのに、それらがなかった時代はどれほどの危険に満ちていたことでしょう。
そして相手が世界中のどこにいてもリアルタイムで肉声を届けることができるような現在とは違い、ほんの百年ほど前まで一旦港を出てしまえば帰港するまで一切連絡する手段がなかったのです。
船乗りは航海の成功・安全を祈り、言い交した相手が二心を持たないことを願う。
待つものはいつ帰ってくるのかを千秋の思いで待ち、帰ってこない相手がどこかで躯となっていないか・心が離れてしまったのではないかと思いなやむ。
自分の力ではどうしようもないことに思い悩み、苦しむ。この苦しみを救ってくれないかと神仏にすがりつく。
神社はそれらの祈りと願いを幾百年にわたって受け止めてきながら、ただあったのです。
道すがらに見かけた神社が気になって調べてみたら、切実に必要とされていたのだろうことが分かったきたぐにでした。
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